
慶應義塾大学卒業後、東証一部上場のIT企業に入社。
人事システム領域ではプロジェクトマネージャーとして、SAPやSuccessFactorsのグローバル展開など複数プロジェクトを経験。
人事部として新卒採用から中途採用、700人以上の社員のキャリアや労務を担当。
人事評価制度を構築した経験もあり、エンジニア採用や業務委託にも精通。
「人事考課って言葉聞いたことはあるけど詳しく分からない」
「人事考課の目的ってなに?」
企業活動において人事考課という言葉が使われますが、具体的に何を指すのか、どのように使われるのかはあまり知られていませんよね。
人事部の業務の中でも人事考課や人事考課システムを整えることは必須と言えます。
ここでは東証一部上場企業で人事を9年経験した筆者が、人事考課についてわかりやすく解説いたします。
ぜひ参考にしてみてください。
人事考課とは何?
人事考課とは従業員に対してパフォーマンスや勤務態度を評価し、賃金や昇格に反映させるレーティングを指します。
年度に1回など定期的に評価を下し、その評価が次年度の賃金や昇進昇格にまで影響するため、最も重要な人事情報の1つと言えるでしょう。
人事考課を判断することや確認できるのは上層部のみとなります。
同様の言葉で人事評価がありますが、多くの企業では同じように使用しているため厳密に使い分ける必要はありません。
人事考課の目的
人事考課の目的として、企業側としては従業員の評価を可視化し、賃金や昇進昇格に反映させる重要なものがあります。
一方で従業員にとっても人事考課は非常に重要であり、モチベーションに直接響くことや、賃金による適切な社員還元につながることにもなりますよね。
昇格や異動による適材適所は会社と従業員の双方に必須となりますので、人事考課は単に従業員を評価するだけではなく、会社の発展にもつながる項目と言えるでしょう。
人事考課は社員が何をすべきかの道しるべにもなる
人事考課は単に社員に対して良い悪いを伝えるものではありません。
社員が日々何を意識して、どのように働けば評価が上がるのかの道しるべになりますよね。
とにかく数字を追うべきなのか、数字に繋がらなくても周りのサポートや後輩の育成を重視すべきかなど、人事評価は社員の行動を大きく左右する要素となります。
言い換えれば人事考課の基準が定まっていない会社では、会社全体として大きな方針が決まっていないと言えます。
人事考課は数ある人事関連の制度の中でも、最重要の1つと言えるでしょう。
人事考課制度の適切な構築は人事部の必須業務となります。
人事考課はどのように決まるか
従業員側としても人事考課がどのように決まるのかは知りたいですよね。
人事考課については、統一した決め方は存在せず、各社ごとに様々だと言えます。
人事考課に会社として何を評価するかメッセージが含まれる
これはその会社が何を重視しているか、どのような行動を社員にして欲しいのかに直結しているためです。
とにかく数字を上げることを評価する会社もあれば、直接数字に繋がらなくても周りをサポートする行動を評価する会社もありますよね。
そのため現場や上司が好き勝手に人事考課を付けるのではなく、人事考課の付け方という指標をしっかりと示すことが人事部にとって必須業務となります。
それには人事部だけで決めるのではなく、経営層の方針との整合を取る必要もあり、人事考課が機能しているかどうかは人事部の技量を示しているとも言えるでしょう。
人事考課は等級制度と連携
人事考課は等級制度と連携しなくてはいけません。
等級制度とは、大きくは経営層、管理職、非管理職(一般社員)などに分かれ、さらに細かく部長、課長、係長などに分かれている仕組みのことです。
人事考課の基準自体は会社個別で定めるものですが、人事考課や人事評価は等級制度と連携している必要がありますよね。
これはどの会社にも共通しており、等級、評価、報酬の3つで構成される人事制度において、等級と評価が結びついていることは必須と言えるでしょう。
人事考課は人事考課システムで継続管理することが重要
人事考課は単発で実施しても意味がありません。
毎年決められたタイミングで、何月から何月までのパフォーマンスを評価するのか、何を評価するのか、評価は何段階にするのかなど、しっかりと作り込まれた人事考課システムが必須となります。
人事考課の方法や基準がぶれると、従業員は何を頑張れば評価されるのか分からず、無力感などマイナスに働く場合もありますよね。
人事考課を作り込み、人事考課システムで継続管理することは、会社の発展にとっても間違いなく必要な仕組みとなります。
まとめ
人事考課は会社にとっても従業員にとっても非常に重要な指標です。
従業員のモチベーションに直接響きますし、会社が何を評価しているのかを示すことは会社の発展に必須ですよね。
人事考課の決まり方を見れば、会社が何を重視しているのかが見えてくるものです。
人事考課システムを整備することは人事部にとって間違いなく必要だと言えるでしょう。

慶應義塾大学卒業後、東証一部上場のIT企業に入社。
人事システム領域ではプロジェクトマネージャーとして、SAPやSuccessFactorsのグローバル展開など複数プロジェクトを経験。
人事部として新卒採用から中途採用、700人以上の社員のキャリアや労務を担当。
人事評価制度を構築した経験もあり、エンジニア採用や業務委託にも精通。