人事の仕事をしているとタレントマネジメントという言葉をよく聞きますよね。

会社や人によってもタレントマネジメントが意図するものは異なり、統一した定義が難しいものと言えるでしょう。

タレントマネジメントシステムのベンダーはたくさん存在しますが、システム導入はツールであり目的ではありません。

ここでは東証一部上場企業で人事を9年経験した筆者が、タレントマネジメントについてわかりやすく解説いたします。

ぜひ参考にしてみてください。

タレントマネジメントとは何?

タレントマネジメントとは、社員のタレント(スキル、能力、資質)を可視化し、採用、育成、配置、異動、昇格などと紐づけることで、人事が経営に貢献する一連の体制を指します。

全従業員の基本情報を管理する人事管理と比べて、従業員のスキルや能力などのタレントに絞ること、またそもそも全従業員は対象とせず、タレントのある人材のみに限定して可視化と管理していくこともあります。

それぞれの人事業務が孤立するのではなく、経営戦略とそれに基づく人事戦略に沿う形で、人事業務が連携して価値を生み出すための仕組みと言えるでしょう。

タレントマネジメントの全体像は企業ごとに異なる

タレントマネジメントという言葉はどの企業でも使われるようになってきましたが、タレントマネジメントが指すものや、全体像は企業ごとに異なります。

タレントとはどのようなスキルや資質とするのか、対象は全従業員か幹部候補に絞るかなど、自社にとって効果のあるタレントマネジメントは何かを明確にするところから始まります。

タレントマネジメントはシステム導入とセットにはなりますが、パッケージをそのまま導入するのではなく、先ずは自社内で全体像を設定することが重要と言えるでしょう。

タレントマネジメントの課題と導入ポイント

タレントマネジメントの課題として、本当に管理すべき人材や人事情報は何かを明確にしないと、無意味なシステムと管理に膨大なコストをかけてしまうことになります。

少なくない企業で、タレントマネジメントシステムは相当なお金をかけて導入したけれど、工数ばかりかかって効果が分からないとなってしまう原因ですよね。

タレントマネジメントを意味のあるものにするためには、人事部だけで作るのではなく、経営層や事業部の現場とコミュニケーションを取り、本当に核となるタレントや人材像を定める必要があります。

現場から離れている人事が机上だけで設定すると、意味がないどころか現場は混乱し、余計な工数ばかりかかる恐れすらあるでしょう。

タレントマネジメントシステムの歴史

タレントマネジメントシステムは人事の王道として昔から存在していたと言うより、2010年代に普及してきました。

元々人事システムについては、2000年代から人事労務領域のシステム化が始まり、当初は勤怠管理などが主な人事システムの役割でした。

そこからシステム化される人事機能が増えていくことで、2010年代ではタレントマネジメントが主要となり、社内リソースの見える化と最適化がテーマとなった背景があります。

2020年代に入ってからはタレントマネジメントシステムを提供する企業が上場するなど、従来の人事システムからさらに発展を遂げ、HRテックとして人材育成や採用、社員のエンゲージメント向上、人的リソースの効率化や高度化など、人事が経営に貢献できる領域が増えてきていると言えるでしょう。

タレントマネジメントはシステム導入で終わりではない

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タレントマネジメントは導入しやすくなっています。

タレントマネジメントシステムのベンダーは増えており、パッケージ導入も容易になってきました。

ただし注意点としては、タレントマネジメントとは経営に貢献するための人事業務の全体設計であるため、システム導入はそのツールに過ぎませんよね。

タレントマネジメントシステムを導入する前の明確化、かつ導入後の運用こそ人事の仕事と言えるでしょう。

タレントマネジメントシステムを提供する企業が増加中

タレントマネジメントシステムを提供する企業が非常に増えています。

タレントマネジメントの重要性が増し、システムの発展によってより導入しやすい環境が整ってきたと言えるでしょう。

タレントマネジメントシステムやHRテックとして上場を果たして企業もありますし、市場全体が拡大していますよね。

どのタレントマネジメントシステムを導入すべきか迷った際は、複数のベンダーを比較して、自社に適したシステムを選ぶことが重要となります。

(関連記事)HRテックとは?大手人事9年の人事システム担当者がわかりやすく解説

まとめ

タレントマネジメントを導入する企業が増えています。

タレントマネジメントとは単なるツール導入ではなく、人事制度の全体設計とすら言えますよね。

自社にとってタレントとは何か、どのような人材かをしっかりと定義するところから始めることが非常に重要となっています。